FLO Cycling – Net Drag Reduction Value (純抵抗低減値) とは


私たちは、任意のホイールの短縮時間の概算を出す際は可能な限り現実的にすることを試みることを常に信条としています。 これを行うため、当社のNet Drag Reduction Value (純抵抗低減値) の公式を使用しています。 Net Drag Reduction Valueの公式とは何だろうかと思っている方には、今回の記事はぴったりです。 

基準の設定

短縮時間を算出する際は、他のホイールと比較するための基準ホイールを使用する必要があります。FLOでは、ラウンドスポーク32本のMavic Open Proを使用しています。下のグラフで、特定のヨー角でのMavic Open Proによって生み出される抵抗 (g) をご覧になれます。ヨー角対抵抗のグラフについて詳しく知りたい方は、この空気力学的なホイールのチュートリアルをご確認下さい。 


短縮時間の算出の間違った方法

基準を設定したら、他のホイールをこの基準と比較します。下の例は、FLO 60 Carbon Clincherを示しています。 



17.5度のヨー角を見てみましょう。Mavic Open Proの抵抗 (g) 239.5g、そしてFLO 60 Carbon Clincher114.5gを生み出しています。これは354gの差で、このヨー角対抵抗のグラフあらゆる場所の中で最大の差です。 

抵抗を100g低減すると40kmの距離で約40秒短縮されることが分かっています。 (100gによって40km40秒短縮される理由の裏にある数学をご確認下さい)最大の差である354gを用いる場合、このホイールによって40kmの距離で約142 (222) 短縮されると言えるでしょう。Ironmanに換算すると、約637 (1037) になるでしょう。素晴らしい数値ですが、これは間違いです。なぜこれが間違いなのかというと、走行時間の100%17.5度のヨー角で走るのに費やしているわけではないためです。 

短縮時間の算出の正しい方法

正しい方法で短縮時間を算出するには、自転車走者がどのヨー角を体感しているか、そしてそれらのヨー角で費やす時間の割合を把握する必要があります。 

私たちはこれを広範囲にわたって調査し、時間をかけて110,000個のデータポイントを収集しました。下のグラフは、私たちがデータを分析した後に分かったことを示しています。データの収集方法分析方法についての詳細をご自由にご覧下さい。  



これで自転車走者の体感するヨー角とその時間の長さが分かったため、Net Drag Reduction Valueの公式を用いて短縮時間の加重平均を算出します。その方法はこちらです。 

風洞テストで、02.55.07.510.012.515.017.5, 20.0度のヨー角で抵抗を測定します。Net Drag Reduction Valueの公式では、2つのヨー角で体感される抵抗の平均を用いています。例えば、0度と1度のヨー角の平均抵抗は、0.5度のヨー角での抵抗値です。  ヨー角0.5度ごとには数値を測定していないため、直線の方程式を用いてこれらの数値を求めます。直線の方程式は以下の通りです。 



例として、FLO 60 Carbon Clincher0度と1度のヨー角の平均抵抗の算出方法をお見せします。まずは傾きを求める必要があります。

yの増加量は、FLO 60 Carbon Clincherについて2.5度と0度のヨー角で測定される抵抗値の差です。上のヨー角対抵抗のグラフを見ると、2.5度と0.0度のヨー角での抵抗値がそれぞれ112.2g107.9gであることが分かります。

xの増加量は、ヨー角度の差です。使用されている2つのヨー角は2.5度と0.0度なので、その差は2.5です。このことから、傾きは1.88です。

次に、b (y切片) が必要です。y切片は、X1におけるyの数値です。この数値は、107.9gです。 

これで直線の方程式を用いて0.5度のヨー角での抵抗値を求めることができるようになりました。 



0.5度のヨー角での抵抗値が分かると、その数値に01度のヨー角で費やされる時間の割合を掛けることができます。上のグラフから、自転車走者がこの範囲内で費やす時間は11.15%であることが分かります。  

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20度の全てのヨー角についてこの数値を算出すると、合計し、特定のホイールの抵抗値の加重平均を得ることができます。

基準ホイールであるMavic Open Proの抵抗値の加重平均を用いることで、この数値を他のどのホイールの同様の数値とも比較することができます。例えば、Mavic Open ProFLO 60 Carbon Clincherの抵抗値の加重平均は、それぞれ220.4g64.1gです。これは、自転車走者はFLO 60 Carbon Clincherでの走行時は平均64.1gの抵抗を体感し、Mavic Open Proでは平均220.4gだということを意味しています。したがって、Net Drag Reduction Valueは、基準ホイールであるMavic Open Proと比較対象のホイールであるFLO 60 Carbon Clincherとの差です。 


Net Drag Reduction Valueは、ホイールによる短縮時間の正確な概算をもたらします。40kmでは約63 (13) 短縮され、Ironmanでは約281 (441) 短縮されます。上で見た1037秒とはかなり違います。 

最終的な見解

自転車の走行に費やす時間のほとんどはヨー角が低いことが分かっているため、速いサイクリングホイールで重要なのは、浅いヨー角で空気力学的効果を高めることです。ヨー角対抵抗のグラフはすぐに誤解を生む可能性があります。あるホイールが急なヨー角度で抵抗値が比較的低いためにより速く見える場合は特にそうです。 次の自分のホイールセットを選ぶ時は、Net Drag Reduction Valueを考慮するようにして下さい。それが、ホイールによる短縮時間の正確な概算を得る唯一の方法です。 

他に注意すべきなのは、基準は自分が元々使用しているホイールにすることです。ご使用のホイールの空気力学的効果は、Mavic Open Proよりも高いことも低いこともありえます。 

最後に、私たちはホイールを風洞で独立してテストしています。路上では、自転車走者と自転車が関わっています。このため、空気とホイール (特に後輪) がどのように接触するかが変わり、空気抵抗が変わります。私たちの概算は完璧ではありませんが、短縮時間について良い見解をもたらします。抵抗の低減に基づいて自転車のホイールを選択することに興味のある方には、風洞で合わせることをおすすめします。安価ではありませんが、本当に有益でとてもクールな体験です。 

それではお元気で。


ジョン