FLO Cycling – ホイール設計シリーズ ステップ2 – データ分析


2014年、私たちはFLO Cyclingのホイール製品の再設計に腰を据えて取り組みました。この5段階の設計プロセスは完了まで15ヶ月かかりました。このブログシリーズでは、設計プロセスを詳しく取り扱います。今回は、5段階の設計プロセスの中のステップ2です。ステップ1345についての詳細は、以下のリンクをご確認下さい。


ステップ2 – データ分析
走行後にデータを分析中

なぜデータを分析したのか
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本シリーズのステップ1で、私たちは様々なIronmanコースと走行シナリオでどのように実地データを収集するかについて話しました。カスタムデータロガーを使用し、合計でヨー角と相対速度を組み合わせた110,000個の測定値を収集しました。私たちは、より速いサイクリングホイールの設計の役に立つ一貫したパターンをデータの中から見つけることを願っていました。

どのようにデータを分析したのか?

データを分析する際、私たちは設計に有用なパターンを見つけるために4つの主要な部分を重視しました。

1. 相対速度、ヨー角、時間の関連性
下記のように関連性を調査することで、走行中に風がどのように自転車走者と接触するかについて良く理解することができました。私たちは、データを2つの方法で分類しました。 

まず、時速1マイルの範囲を用いてデータを相対速度で分類しました。例えば、時速34マイルの間での測定値を全て考慮しました。相対速度で分類したデータで、各範囲の個別の平均ヨー角度と費やされた時間の割合を調査しました。 

2つ目のデータの分類方法は、ヨー角度の範囲を1度にすることでした。例えば、01度のヨー角の全ての測定値に着目しました。ヨー角で分類したデータで、各範囲の個別の平均相対速度と費やされた時間の割合を調査しました。 

2. 風のデータは走行ごとにどのように変動するか?
Ironman 70.3オーシャンサイドで海岸沿いを走る時、何が起こるのでしょう? Ironman 70.3シルバーマンのような内陸コースを走っている時、それはどのように変わるのでしょう? ドラフティングを行っている時、何が起こるのでしょう? 私たちは各走行を個別に詳しく見て、原因の説明の必要がある差があるかどうかを判断しました。ステップ1の要点を繰り返すため、私たちがテストの実施場所として使用したコースとシナリオをこちらで紹介します。

Ironmanコース
Ironman 70.3シルバーマン
Ironman 70.3セントジョージ
Ironman 70.3オーシャンサイド
Ironmanワールドチャンピオンシップコナ (コースの一部)

走行シナリオ
下り
登り
海岸での走行
森林エリア
ドラフティング
スプリント
ひと続きの下りの後にデータを分析中

3. 
動画分析
測定値を環境と比較するため、GoProの映像を使用しました。例として、1秒未満の間続くとても大きなヨー角の読み値が見つかった場合、それは何が原因で起こったのでしょう? 下の動画は、私たちの走行の1つからのGoProの映像です。


4. 外れ値を特定する
ほとんどのデータセットには、より良い結果を導き出すという意図で無視されることのある外れ値があります。例として、相対速度時速0マイルで走行すると、ヨー角度センサーは風による影響がないため、自由に回転します。この間に測定される不規則なヨー角度は役に立たないデータです。なぜなら、相対速度時速0マイルの状況では空気抵抗がないからです。この場合、この読み値を排除することで全体の結果がより良くなります。
  
何が見つかったのか?

データのクリーニング
データを分析した後、以下の結論が判明しました。

1. 全ての走行の走行データは、非常に一貫したパターンを示していました。圧倒的に共通していたため、全ての走行データを残りの分析と組み合わせました。海岸での走行、内陸での走行、登り、下りの間に差はあったのでしょうか? 差はありました。しかしとても小さな差だったので、より優れたホイールを設計しようとしてそれらの差を区別するのは合理的ではなかったでしょう。

2. 相対速度時速3マイル未満での測定値はかなり一貫性がなく、信頼性のない結果を導き出していました。そのため、相対速度時速3マイル未満で記録された測定値は全てデータセットから除外されました。

3. 20度を超えるヨー角の測定値は、データセットから除外しました。そう、20度を超える異常なヨー角の測定値は見られますが、それが発生するのは非常に短い時間の間 (主に1秒未満) であり、以下のシナリオのいずれかによって生み出されたものです。

  • 自転車走者のそばを自動車が通り過ぎた。
  • 自転車走者が建造物を通り過ぎた後に突風に当たった。
  • 相対速度の読み値が低かった (主に時速1マイル未満) 
  • ヨー角度センサーが上記の3つのシナリオのいずれかが発生した後に安定化している最中だった。
4. 最終的に、私たちは-20度~20度のヨー角の測定値と時速3マイルを超える相対速度の測定値を全て考慮しました。この新しいデータセットにより、走行時間の100%に説明がつきました。

結果
下のグラフと表は、自転車走者が各ヨー角度の範囲において費やす時間の割合を示しています。例えば、自転車走者が01度のヨー角で費やす時間は11.15%です。注意: マイナスのヨー角の測定値は全て、下記の範囲に入れられています。
自転車走行時のヨー角度の範囲で費やされる時間の割合

自転車走行時のヨー角度の範囲で費やされる時間の割合

重要な設計パターンの発見

分析後、私たちは次の空気力学的なサイクリングホイールの製品の設計に利用できる非常に有用なパターンがいくつかあることを発見しました。それは以下の通りです。
  1. 1. ヨー角度が増加するにつれて、対応する範囲内で費やされる時間の割合は減少します。 上の図は、このことをグラフを用いて示しています。
  2. 2. 自転車の走行時間の50%が、05度のヨー角で費やされます。 
  3. 3. 自転車の走行時間の約80%が、010度のヨー角で費やされます。 
  4. 4. 1020
    のヨー角で費やされる自転車の走行時間はわずか約20%です。 
  5. 5. 私たちは、走行時間の80%が、均等な時間の分布で1020度のヨー角で費やされると考えていました。この新しい結果は、正反対のことを告げています。 現実には、走行時間の20%1020度のヨー角で費やされ、各ヨー角で費やされる時間はヨー角度が増加するにつれて減少します。
この新しいデータを役立てる前に、テスト用の基準モデルを組み立てる必要がありました。 本シリーズのステップ3 (タイトルは「3Dモデリング」) をご覧下さい。

記事について何かご質問のある方はお知らせ下さい。喜んでお答えします。

それではお元気で。


ジョンとクリス