FLO Cycling – ホイール設計シリーズ ステップ1 – データ収集


2014年、私たちはFLO Cyclingのホイール製品の再設計に腰を据えて取り組みました。この5段階の設計プロセスは完了まで15ヶ月かかりました。このブログシリーズでは、設計プロセスを詳しく取り扱います。今回は、5段階の設計プロセスの中のステップ1です。ステップ25についての詳細は、以下のリンクをご確認下さい。


ステップ1 – データ収集
Ironmanワールドチャンピオンシップコナのコースでのデータの収集 
なぜデータログを取るのか?

自転車走者が走行中に風とどのように接触するか分からない場合、どうすれば空気力学的なサイクリングホイールを設計することができるでしょうか? 簡潔に答えると、できません。 平均ヨー角についてはいくつかの説があります。ある調査では平均ヨー角は比較的浅く10度以下であることが示唆されていますが、自転車走者が費やす時間の80%のヨー角が10度~20度であることを示唆している調査もあります。 

当社の2012年のホイール製品は、より高いヨー角度を示唆する説に基づいて設計されました。 当社のホイール設計の再設計に取り組み始める前に、私たちは路上で実際に何か起こるかを完全に理解する必要があることを認識していました。 また、海岸やドラフティング、登り、下りで走るなどの特定の走行シナリオにおいて何が起こるかを理解する必要もありました。

どのようにデータを収集したか?

実地データを収集するため、走行中のリアルタイムの風のデータを記録できる機器を組み立てる必要がありました。データを有用なものにするには、センサーは正確である必要があるだけでなく、精度が優れている必要があり、十分に高い頻度で測定値を収集する必要がありました。データ収集機器には3つの重要な要素をまとめて入れました。その要素とは以下の通りです。

データロガー

データロガーとは、センサーからの測定値を記録するコンピューターです。私たちは以下の理由から、Onset Hobo Micro Station Data Loggerを選びました。  
  • 高い頻度 (1) で記録する
  • 正確性が優れている (25°C (77°F) で、最初のデータポイントで02秒、1週間につき±5)
  • 小型である
  • 当社独自のカスタムセンターと接続することができる
Onset Hobo Micro Station Data Loggerの仕様の詳細をご自由にご確認下さい。
取り付けて有線接続したデータロガー
ヨー角度センサー

ヨー角度センサーは、自転車走者と接触する風の角度を測定します。例として、風が自転車の前方から自転車走者に直接吹いている場合、ヨー角は0度となります。風が自転車走者の右手側で自転車走者に直接当たっている場合、ヨー角は90度となります。十分に高い正確性と十分に低い角度の分解能のヨー角度センサーを見つけることは、かなり困難なものとなりました。最終的に、ドイツの会社にLufft Wind Sensor Professional Model 14521を特注する必要があり、それを取り付けるハイエンドカーボンバイクよりも高価になりました。そのヨー角度センサーの重要な仕様がいくつかあり、それは以下の通りです。
  • 出力: 420mA
  • 正確性: +/-1
  • 分解能: 1度未満
Lufft Wind Sensor Professional Model 14521 Yaw Angle Sensorの仕様の詳細をご自由にご確認下さい。 
ヨー角度センサー、相対速度センサー、バッテリー
相対速度センサー

相対速度センサーは、自転車走者と接触する風の速度を測定します。多くの人々は、自分の自転車の速度は風の速度であると考えていますが、これは本当ではありません。 2つの例をこちらで紹介します。10mphの向かい風に向かって20mphで走っている場合、相対速度は30mphとなります。 10mphの追い風を受けて20mphで走っている場合、相対速度は10mphとなります。 相対速度を記録するため、この作業に向いているOnset Wind Speed Smart Sensor S-WSB-M003を選びました。

Onset Wind Speed Smart Sensor S-WSB-M003 Relative Velocity Sensor
の仕様の詳細をご自由にご確認下さい。

完成したデータロガー
自転車に取り付けられる前の完成したデータロガーの写真を何枚かこちらでお見せします。
自転車に取り付けられる前の完成したデータロガー
自転車に取り付けられる前の完成したデータロガー
自転車への取り付け

データロガーとセンサーを組み立てた後、それを自転車に接続する必要がありました。私たちは、ユニットを空気と最初に接触する部分にしたかったため、ユニットを自転車の前部に取り付けることを選びました。自転車走者の身体や自転車の部品との一切の干渉を望みませんでした。 

データロガーを自転車に取り付けて走行

走行中の視点からのデータロガー

このデータロガーは、路上で1秒ごとにヨー角度と相対速度の測定値を記録します。こちらは稼働中のユニットの写真です。

何のデータを収集したか?

私たちは様々なIronmanレースコースと多種多様な走行シナリオでデータロガーを取り付けて走ることを選びました。また、GoProを自転車に取り付けることで、数値をあらゆる出来事の時点で発生したことと同期させることができました。それぞれこちらの一覧に載っています。

Ironmanコース
Ironman 70.3シルバーマン
Ironman 70.3セントジョージ
Ironman 70.3オーシャンサイド
Ironmanワールドチャンピオンシップコナ (コースの一部)

走行シナリオ
下り
登り
海岸での走行
森林エリア
ドラフティング
スプリント
Ironman 70.3セントジョージコースでデータを収集中
Ironman 70.3セントジョージコースでパンクしたタイヤを交換中
収集したデータの合計量

合計で、55,000個の読み値 (110,000個の測定値) を収集しました。私たちは、このデータを有用なものにするには、データを分析してより優れたサイクリングホイールの設計に役立つパターンを探す必要があることを認識していました。当社の分析、そしてホイール作りのプロセスの次の段階については、本シリーズのステップ2 (タイトルは「データ分析」) をご覧下さい。

コナにて調整中

記事について何かご質問のある方はお知らせ下さい。喜んでお答えします。

それではお元気で。


ジョンとクリス